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ミズベリング的流域治水ソーシャルデザイン宣言 できました
2021年度のミズベリングプロジェクトは「ミズベリング的流域治水ソーシャルデザイン研究会」(第一回 2021年6月30日、第二回 2022年3月10日)を開催し、多様な肩書きの研究会委員のみなさんとの対話の中から流域治水を多様な主体で進め、かつ成果が得られるものとするために必要な考え方を研究会にて宣言としてまとめました。
「ミズベリングソーシャルデザイン宣言」
1.流域治水は多様な主体が参加することが求められる取り組みであり、これまでの行政施策の延長ではなく、あらたな主体間連携の取り組みとして捉えなおされなければならない。
2.流域治水は深刻で難しい顔をして取り組むものではなく、多様な主体が連携して未来をつくる取り組みとして「共感」を生み続けなければならない。 流域を歩き、現場を通して地形や流域から得られる気づきや、現実を拡張させる AR などによる DX、古地図や語り部などの、多様な体験情報を使い、視点を変えることで得られる「気づき」を共有し、広く深く知る機会を作り続けることで、流域治水は段階的に達成されるものである。流域治水は、一方通行な知識の提供ではなく、インタラクティブな知である。
3.流域治水においては、さまざまな手法を生かして、人の想像力の限界を超えていくことが必要である。 豊かな想像力を通して、他者に対する理解や思いやりが進み、利他の価値観を持つことで流域治水 は推進される。 流域治水の取り組みに参画する者が、身心の喜びや思いやり、共感などを得られることにより、参画する者のより良い状態「ウェルビーイング (well being)」を実現することができることも大切である。
4.流域治水に取り組むことで単に水防災上の安全性が高まるだけではなく、地域のありかたを見直す機会になり、地域がよくなるきっかけになる。そのような機会に参画することで個人の社会参加や自己実現への欲求も満たされる。
5.流域治水において、各主体が利他だけでなく、功利的に動くことを前提とし、インセンティブをどのようにつくり、どのようにステークホルダーの動機付けをすることや、定量的な評価手法を持つことは、社会的生産性を高めていく上で重要である。
6.流域治水は、達成されるべき将来のアウトカムを多様な主体と共有しながら進める「社会的インパクト」の取り組みである。ビジョンや計画をつくって終わりではなく、進捗の共有と軌道修正でマネジメントすることが必要である。
7.流域治水は、各地域や流域ごと、あるいはテーマごとに個別解がある。最終的な「社会的インパクト」を共有しつつ、環境の条件や、関わる人の条件などの地域特性で流域治水の取り組みはまったく変わるものである。よって各地域や流域ごとに最適解を見つける作業が重要である。
8.上下流など流域の多様なステークホルダー間の恵みと資源、リスクなどの「わかちあい」により、自律分散しながらも全体最適を図ることを目指すことが大切である。
9.流域治水の取り組みは分かりやすく伝わりやすいものでなければならない。子供にも伝わるような分かりやすいキーワードがうまれることが期待される。流域治水という課題をテクノロジーだけでなくアートや創造性を通して文化やライフスタイルへの発展させることが大事である。
10.流域治水を推進するためには、自由で創造的なコミュニケーションを図ることができる「場」を形成する必要がある。現場の感覚を共有しながら「レジリエントな国土」とはどういうものなのかをみんなで考えることができる。
「ミズベリング的流域治水ソーシャルデザイン研究会」概要
開催スケジュール
第一回開催 2021 年 6 月 30 日(水曜日)17:00 〜(オンライン)
第二回開催 2022 年 3 月 10 日(木曜日) 17:30 〜(オンライン)
第三回以降 2022 年度に開催を予定
企画委員
橋本 淳司 アクアスフィア・ 水教育研究所代表 武蔵野大学客員教授
瀧 健太郎 滋賀県立大学准教授
太刀川 英輔 NOSIGNER
岩本 唯史 水辺総研
研究会委員
阿部 嶺一 A.D.SYSTEMS PTE.LTD CEO
伊藤枝里子 ソーシャルバリュージャパンコンサルタント
上田壮一 Think the Earth 理事
奥谷崇 日本シティサップ協会 代表理事
金藤 純子 EnPal 代表取締役
北栄階一 日本政策投資投資銀行 課長
佐々木葉 早稲田大学教授
墨屋宏明 S + S Arts and Workshop 代表
千葉知世 大阪府立大学准教授
長嶋修 不動産コンサルタント
中村晋一郎 名古屋大学准教授
早川潤 荒川下流河川事務所長
福岡孝則 東京農業大学准教授
村山顕人 東京大学准教授
(50音順)
ミズベリング的流域治水ソーシャルデザイン研究会|ミズベリングプロジェクト
(研究会の成果パンフレットがダウンロードできます)